生産工程の省力化、物流の自動化、システム化に伴いライン搬送中の薬品洗浄・加熱・焼入・焼戻し・等の連続作業が組み入れられた過酷な作業環境に適応するのがワイヤーコンベアです。

主として菱形金網が使用され、列線と補強線の組合せにより幅広い用途での仕様が可能です。

また、ワイヤーコンベアの持つ美しいデザイン性を生かして建築の分野ではインテリア・エクステリアとしても使用されています。

セクショナルベルト

通常の菱形金網で左右同一方向のスパイラルの編み合わせのみで構成されているため引張り強度は弱く、摩擦駆動のベルトとして使用する場合はプーリの直径に応じて一定間隔に右巻き・左巻きを交互に配置し、蛇行を防止する必要があります。

運行中に歪みを生じやすく、延びも大きいなど、ベルトとして不都合な点もありますが、チェーン付ベルト用としては網目が一重なので空間率が大きく、運搬物の目づまりが少ないなど、利用価値は少なくありません。また安価なのも大きなメリットです。

ベルトの表し方

S-①スパイラルの目開き

 -②スパイラルの径

バランスベルト

ワイヤーベルトの主流ともいえる標準的なタイプで、右巻き・左巻きスパイラルをクリンプ線で交互に連結構成されています。

ベルト運行上、蛇行や歪みがなく、多方面に使用されています。

チェーン付ベルトの場合もクリンプ線の深さを調節し、容易にチェーンピッチに合わせることができます。

クリンプ線の間隔は通常スパイラルピッチと同じもの(標準品)とクリンプ線がスパイラルピッチより長い目のものとの二種類があります。

線径は通常スパイラルとクリンプ線が同一線径のもの、またはクリンプ線が若干太いものの二種類があります。

ベルトの表し方

B-①スパイラルピッチ-②ロッドピッチ

 -③ロッド経―④スパイラル径

ダブルバランスベルト

スパイラルを二重に編み、バランス型と同じく左右交互にクリンプ線または直線により組み合わせた型式です。

目あきの荒いものはクリンプ、細いものは直線を使用します。

ベルト面が平らで引張り強度が高いのが特徴です

ベルトの表し方

B-①スパイラルピッチ-②ロッドピッチ

 -③ロッド経―④スパイラル径

直線バランスベルト

バランス型との相違点は、連結するロッドがクリンプではなく直線であることです。

これは熱処理用などで高温度で使用される場合の「延び」またはスパイラル幅づまり現象を防ぐため、右巻き・左巻きスパイラルのすきまをできるだけ少なくして強度を持たせた型式です。

ベルトの表し方

B-①スパイラルピッチ-②ロッドピッチ

 -③ロッド経―④スパイラル径

密集バランスベルト

右巻き、左巻きスパイラルをすきまなく交互に密集・密着させて、直線またはクリンプ線により組み合わせたもので、ワイヤーベルトの中で最も目あきが細いのが特徴です。

同一スパイラル内に直線が3本挿入されているものを3C、4本を4Cといいます。ベルト面が平らでプレス加工の圧力にも強く、引張り強度も強大です。

ベルトの表し方

B-①スパイラルピッチ-②ロッドピッチ

 -③ロッド経―④スパイラル径

フラットフレックスベルト

「チョコレートネット」と呼ばれ、ワイヤを連続的に曲げ加工したベルトで、上下からの熱を伝えやすいのが特徴です。

ベルトの表し方

B-①スパイラルピッチ

 -②スパイラル径